2025年夏に行われる第27回参議院議員通常選挙(参院選2025)。この選挙は日本の政治を左右する重要な選挙です。
しかし、その仕組みは意外と複雑。この記事では、参院選2025の選挙制度や議席数、選挙区の仕組みなどを分かりやすく解説します。選挙の仕組みを理解して、より賢明な一票を投じましょう。少しずつ下がって確認ください。
この記事を読むと分かること:
- 参院選2025の基本的な仕組み
- 各政党の議席数と改選・非改選の内訳
- 選挙区選挙と比例代表選挙の違い
- 投票方法と選挙日程
スポンサーリンク
参院選2025の基本情報
参院選2025は、2025年7月28日の任期満了に伴い実施される選挙です。正式名称は「第27回参議院議員通常選挙」です。
スポンサーリンク
選挙日程(予定)
- 公示日: 2025年7月10日頃
- 投票日: 2025年7月27日頃(一部報道では7月20日、その場合は公示日は前倒しに)
※正確な日程は今後、総務省から発表されます。
(投票日は一部報道では2025年7月20日の話が出ています。その場合は公示日がもっと早くなります)
参議院の議席構成
参議院の定数は248議席です。そのうち半分の124議席が3年ごとに改選されます。以下の表で、各政党の議席数をご覧ください。
政党名 | 改選議席(*) | 非改選議席 | 合計議席数 |
自由民主党 | 55 | 62 | 117 |
立憲民主党 | 23 | 16 | 39 |
公明党 | 14 | 13 | 27 |
日本維新の会 | 6 | 12 | 18 |
国民民主党 | 7 | 5 | 12 |
日本共産党 | 6 | 4 | 10 |
れいわ新選組 | 2 | 3 | 5 |
社会民主党 | 1 | 1 | 2 |
参政党 | 0 | 1 | 1 |
その他・無所属 | 10 | 7 | 17 |
合計 | 124 | 124 | 248 |
*)改選議席:夏に行われる2025年参院選でこの議席が改選され変動します。自民党と公明党は現在69(自民55+公明14)の改選議席がありますが夏の参院選で50を割り込むと参議院での過半数を割り込むことになります。
(自公の非改選議席は自民62+公明13の合計75なのであと50の議席があれば参院過半数の125になります)
補足)衆議院は任期が4年で4年に一度の選挙で全議席(465議席)が改選されますが、参議院は任期が6年で3年に一度、半分の議席(248議席中の124議席)が改選されます。
選挙区選挙と比例代表選挙
参院選は「選挙区選挙」と「比例代表選挙」の2つの投票で構成されています(選挙区選挙74議席+比例代表選挙50議席で合計124議席)。
選挙区選挙
選挙区選挙は立候補した個人同士の争いになります。有権者(国民)は選びたい人の名前で投票します。通常の選挙と同じなのでこちらは分かりやすいと思います(後述する比例選挙は国政のみの仕組みなので少しややこしい)。
- 定数: 74議席
- 選挙区数: 45選挙区
- 投票方法: 候補者名を記入
選挙区は基本的に都道府県単位です。ただし、「合区」と呼ばれる複数の県をまとめた選挙区もあります。逆に東京は前回の参院選で単独の都道府県で6人区でした(選挙区ごとの改選数は選挙の1票の格差議論の対象となっており選挙ごとに変わっています)。
改選数(2022年選挙) | 選挙区数 | 該当する選挙区 |
---|---|---|
6人 | 1選挙区 | 東京都 |
4人 | 4選挙区 | 埼玉県、神奈川県、愛知県、大阪府 |
3人 | 4選挙区 | 北海道、千葉県、兵庫県、福岡県 |
2人 | 4選挙区 | 茨城県、静岡県、京都府、広島県 |
1人 | 32選挙区 | 青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県、栃木県、群馬県、山梨県、新潟県、富山県、石川県、福井県、長野県、岐阜県、三重県、滋賀県、奈良県、和歌山県、鳥取県・島根県、岡山県、山口県、徳島県・高知県、香川県、愛媛県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県 |
以下、注目ポイントです。
- 合区:<鳥取県・島根県>、<徳島県・高知県>はそれぞれ合区として1人区となっています。
- 1人区の重要性:32ある1人区は与野党対決の激戦区となる可能性が高く全体の勝敗を左右する重要な選挙区となります(自民や立憲は地域に組織票があるのでここが強い。大政党であるほどに強く比例よりも1人区で差が付きやすい)。
- 人口変動の影響:人口変動により一部の選挙区で議席数が変更される可能性があります。特に人口増加が著しい都市部の選挙区で議席が増える可能性があります。逆に人口が減少する地域は合区となる可能性があります。
選挙区選挙の議席配分は人口比例を考慮して決定されます。2025年の参院選に向けて総務省が最新の人口動態を基に議席配分の見直しを行う可能性があります。そのため正式な議席配分は選挙が近づくにつれて発表される見込みです(先の表は2022年のものです)。
比例代表選挙
比例代表選挙は支持したい政党もしくは候補者の名前を記入して投票します。
- 定数: 50議席
- 投票方法: 政党名または候補者名を記入
参議院の比例代表選挙では全国を一つの選挙区として扱います(衆院選の比例とは異なるので注意)。
そして候補者名もしくはその候補者の所属する政党への投票となり政党ごとの投票数割合で各政党の議席の配分が決まります(政党Aが50%の票を獲得したら50議席の50%の約25議席が配分されます。政党Bが10%の票を獲得したならば50議席の10%の約5議席が配分されます)。
また各政党で得票数の多かった候補者の順に名簿順が決まり上位から順に当選が決まります(衆院選では政党名で投票、名簿順は政党側が決めましたが参院選の比例は候補者の得票数順になります。また参院選では選挙区選挙と比例の重複立候補はできません。そのため衆院選のような敗者復活はありません)
- 政党ごとの投票数割合で各政党の議席の配分が決定
- 各政党で得票数の多かった候補者の順に名簿順が決まり上位から順に当選者が決定
(比例選挙は応援したい候補者がいたら、必ずその人の名前を記入してください。応援する候補者が特にいない場合は応援したい政党の名前を記入してください)
投票方法
参院選では、有権者は2枚の投票用紙を受け取ります。
- 選挙区選挙用紙(白色): 候補者名を記入
- 比例代表選挙用紙(薄い青色): 政党名または候補者名を記入
選挙区選挙では候補者名を記入。一方で比例代表選挙では、政党名でも候補者名でも投票できる「非拘束名簿式」を採用しています。
参院選では2つの選挙方法があり、それぞれの記入方法が異なるので注意ください。
以下は駄目な例です(無効票になります)
- 比例の候補者を選挙区選挙の投票用紙に記入
- 選挙区の候補者を比例選挙の投票用紙に記入
- 選挙区選挙の投票用紙に政党名を記入
スポンサーリンク
参院選2025の注目ポイント
参院選2025の注目ポイントは以下の通り。
与党の過半数維持なるか
2024年10月の衆議院選挙で過半数を割った自民党と公明党。参議院でも過半数(今回の選挙で50議席、合計で125議席以上)を維持できるかが焦点となります。
参院選でも過半数を取れないとなると新しい形での連立構想も出てくる可能性があります。
野党の候補者一本化は?
一部の選挙区で野党が候補者の一本化を模索しています。特に「1人区」と呼ばれる改選議席が1つの選挙区では、与野党の対決構図がより鮮明になる可能性があります。
ただし野党内でも政策が異なります。野党筆頭の立憲は消費税減税には反対、自民と同じ実質増税側なので減税を主張する政党側から見ると組んでも意味がないという考え方もあります。単独で自公と交渉した方が政策が進むと考えて野党候補者の一本化を肯定しない政党が出てくる可能性もあります。
この一本化に向けての調整は今回はあまり見られません。維新が予備選を提案しましたが他の野党にとってはあまり魅力的なものではなく共産党、参政党が早々に離脱(選挙協力はないということで共産党にとっては意味がないと感じたことでしょう)。
維新や維新応援団の橋下氏が予備選を訴えていますが、その後も予備選をやるという機運は高まっていません。国民の中には予備選の存在さえ知らない人も多い状況。
(参考:第27回参院選2025立候補予定者一覧)
ただし関西では立憲と維新が候補者の調整を行うという報道がありました。情勢調査をして強い方が立候補するという形で予備選に近いものとなります。
国民民主の躍進は?
先の衆院選2024では「減税」「手取りを増やす」といった政策を掲げた国民民主が躍進。特に若い年代の支持を受けています。日本の高齢者に寄りすぎな政策に歯止めをかけるべく動いています。
自民が石破政権になり更に左派寄りになったことで右派が離脱していた状況でその右派層を取り込んだのも躍進の理由の1つになっていると言われています。
- 国民民主は若い年代の支持が強い
- 自民から離脱した右派をうまく取り込んだ
国民民主が参院選2025でも多くの議席を取れるのか?注目ポイントの1つになっています。
21議席が目標ということで、今回の参院選では7⇒16への議席増が目標となっています。
今の勢いが続くならば比例で7~10ぐらいの議席を計算できそうですが問題は選挙区の方でしょう。少なくとも定数2以上の選挙区には積極的に候補者を擁立したいところです。ともかく7⇒16への議席増はかなり高い目標と言えそうです。
新たな政党の動向
れいわ、参政党、日本保守党など比較的新しい政党の動きにも注目が集まっています。
衆院選ではれいわ、参政党、日本保守党が議席を伸ばしています。参院選でも期待されるところです。
特にれいわはここ最近、支持率を伸ばしており参院選2025でも議席を伸ばす可能性が高そうです。
社民党はどうなる?政党要件を失う?
公職選挙法における政党要件は国会議員が5人もしくは直近の選挙で2%以上の得票率となっています。
社民党は先の衆院選2024で得票率2%に達することができませんでした(1.71%)。そのため今回の参院選2025でも得票率2%に達することができなければ政党要件を失うことになります(もしくは3人の当選。今は3人で改選1なので3人当選すれば5人になりますがこちらは更に厳しい条件です)。
政党要件を失うと政党助成金がもらえない、政見放送ができなくなるなど各種制限がかかります。今回の参院選2025は社民党の存続をかけた選挙とも言えるでしょう。
社民党が厳しくなった原因はいくつかありますがれいわの躍進が大きい。社民党や共産党の左派支持・票がれいわに流れていると思われます。その流れを食い止めることができるか注目ですが今までのやり方を大きく変えているようには見えず、このままでは厳しいのではないかと感じます。
社民党が議席を伸ばし政党要件を得るには今のままでは駄目なのは明白。大きく変らないと駄目でしょう。
スポンサーリンク
東京都議選にも注目
2025年夏は参院選だけでなく東京都議選もあり注目度が高くなっています。
前回の東京都議選2021では定数127人でした(今回もほぼ同じ数になると思われます)。数字だけで比較すると参院選よりも多い人数の当選が決まります。
日本の中心とも言える東京都の方向性を見極める選挙とも言え、それは当然のことながら国政とも密接に関係してきます。また今年は石丸新党「再生の道」も東京都議選に出馬予定です。こちらも注目1つと言えます。
この辺り東京都議選2025については以下のリンク先でまとめているので参考にしてください。
衆院解散で同時選挙?
衆院解散で同時選挙の可能性も示唆されています。
⇒石破首相 来年夏“衆参同日選挙もあり得る”との認識示す(NHK記事)
衆院同時選挙となれば野党は準備が困難で基盤の大きい自民に有利。野党が内閣不信任案を出せば衆院解散もあるぞと石破首相がゆさぶりをかけている状況です。
ただ、現実問題として解散の可能性は低いと思われます。
衆院選のスケジュールや仕組みなどについては以下のリンク先で確認ください。
(参考:次回の衆議院選挙はいつ?仕組み、投票方法をわかりやすく解説します!)
まとめ
参院選2025は、日本の政治の方向性を左右する重要な選挙です。
選挙区選挙と比例代表選挙の2つの投票を通じて、有権者の意思が反映されます。選挙の仕組みを理解し、自分の一票の重みを感じながら投票に臨みましょう。
この記事のまとめ:
- 参院選2025は2025年7月末頃に実施予定
- 参議院の定数は248議席で、そのうち124議席が改選
- 選挙区選挙(74議席)と比例代表選挙(50議席)の2種類の選挙・投票を実施
- 与党の過半数維持や野党の候補者一本化などが注目ポイント
- 国民民主が今の勢いで躍進するか?その他れいわ、参政党、日本保守党、社民党にも注目したい
その他、選挙速報系サイト一覧
その他の選挙速報系サイトの一覧情報も以下にまとめました。選挙速報情報やニュースなどを確認したい場合は必要に応じて以下のリンク先で確認ください。
地方選挙-NHK
⇒重要な地方選挙の結果や速報、ニュース
地方選挙-読売新聞
⇒地方選挙のニュース
地方選挙-朝日新聞
⇒地方選挙のニュース
地方選挙-政治山
⇒地方選挙の日程と速報
地方選挙-選挙ドットコム
⇒地方選挙の日程と速報
選挙結果速報
⇒地方選挙の日程と速報
全国の地方新聞サイト(電子版)
⇒全国の地方紙で細かい情報をチェック
(選挙のサイトではありません)
スポンサーリンク
コメント