今回は過去に質問の多かった地方選挙の法定得票数と供託金の没収ラインについて紹介します。
法定得票数と供託金の没収ラインは混同している人もおられるので注意ください。
それぞれ用語の説明などを行います。少しずつ下がって確認ください。
目次
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選挙の法定得票数について
法定得票数は選挙で当選が必要な得票数のことを指します。この法定得票数に達していない場合は例えトップの得票(もしくは定数内の順位)であっても当選できず、再選挙となります。
また法定得票数に達している場合は当選者が選挙日から3ヶ月以内に死亡あるいは何らかの理由で辞職した場合、順次繰り上げ当選の対象となります。
それぞれの選挙の法定得票数は以下の通り。
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都道府県知事選挙の法定得票数
都道府県知事選挙の法定得票数は「有効得票総数÷4」です。
例えば有効得票数が40万票の場合は10万票が法定得票数になります。立候補する人が多く更には接戦になった場合などはこの法定得票数に達しないケースもありえます。
ただし都道府県知事選挙で法定得票数に達することがなく再選挙になった事例は過去にありません。
都道府県議会議員選挙の法定得票数
都道府県議会議員選挙の法定得票数は「有効得票総数÷議員定数÷4」となります。
例えば有効得票数が40万票、議員定数が40人だとすると2500票が法定得票数になります。
市区町村長選挙の法定得票数
市区町村長選挙の法定得票数は「有効得票総数÷4」です。
例えば有効得票数が10万票の場合は2万5000票が法定得票数になります。立候補する人が多く更には接戦になった場合などはこの法定得票数に達しないケースもありえます。
過去には2022年10月2日に投票のあった品川区長選挙では法定得票数に達しなかったので再選挙となりました。
(参考:品川区長選挙2022の結果速報、立候補者一覧(10月2日、東京都))
市区町村議会議員選挙の法定得票数
市区町村議会議員選挙の法定得票数は「有効得票総数÷議員定数÷4」となります。
例えば有効得票数が10万票、議員定数が20人の場合は1250票が法定得票数になります。
選挙の供託金の没収ライン計算について
供託金は法令の規定により法務局などの供託所に供託された金銭になります。公職選挙において、売名や泡沫候補の乱立を阻止するための制度です。
その金額は以下の通り。
- 都道府県知事選挙で300万円
- 政令指定都市の市長選挙で240万円
- その他市区長選挙で100万円
- 町村長選挙で50万円
- 都道府県議会議員選挙で60万円
- 政令指定都市の市議会議員選挙で50万円
- その他市区議会議員選挙で30万円
- 町村議会議員選挙で15万円
これらの供託金は一定の票数に達しないと没収されることになります。
この供託金があることで立候補を躊躇する人もおられることでしょう。そのため供託金は不要とする論調も一部ありますが、この供託金制度があっても売名で立候補する人が実際にいることから考えると必要な制度と言えそうです。
例えば2020年の東京都知事選挙では22人もの立候補者がいました。供託金が無ければ数百人の立候補者が出ることは容易に予想され立候補者を把握することさえも困難になり選挙制度自体が揺るぐことになります。
先に紹介したように選挙の規模によって供託金が異なるのも合理的と言えます(立候補者が少ない地方は安くするなど、もう少し細かく分けてもいいとは思いますが)。
それでは選挙による供託金の没収ラインについて以下にまとめます。
都道府県知事選挙の供託金の没収ライン
都道府県知事選挙の供託金の没収ラインは「有効得票総数÷10」で計算されます。
例えば有効得票数が40万票の場合は4万票が供託金の没収ラインになります。東京都知事選挙のように立候補者が多いと供託金の没収ラインに達しない候補者が多くなります。
都道府県議会議員選挙の供託金の没収ライン
都道府県議会議員選挙の供託金の没収ラインは「有効得票総数÷議員定数÷10」で計算されます。
例えば有効得票数が40万票、議員定数が40人だとすると1000票が供託金の没収ラインになります。
市区町村長選挙の供託金の没収ライン
市区町村長選挙の供託金の没収ラインは「有効得票総数÷10」で計算されます。
例えば有効得票数が10万票の場合は1万票が供託金の没収ラインになります。
立候補する人が多く更には接戦になった場合などは供託金の没収ラインに達しない人が増えることなります。
市区町村議会議員選挙の供託金の没収ライン
市区町村議会議員選挙の供託金の没収ラインは「有効得票総数÷議員定数÷10」で計算されます。
例えば有効得票数が10万票、議員定数が20人の場合は500票が供託金の没収ラインになります。
まとめ
今回は地方選挙の法定得票数と供託金の没収ライン計算についてまとめました。
法定得票数と供託金の没収を混同されている方もおられるので注意。共に有効得票総数を元に計算されますが全く異なるものです。
- 法定得票数:当選となるための得票数
- 供託金の没収ライン:供託金が没収される得票数
有効得票数から計算されるということで選挙ごとに違います。実際に計算してみてくださいね。
その他、選挙速報系サイト一覧
その他の選挙速報系サイトの一覧情報も以下にまとめました。選挙速報情報やニュースなどを確認したい場合は必要に応じて以下のリンク先で確認ください。
地方選挙-NHK
⇒重要な地方選挙の結果や速報、ニュース
地方選挙-読売新聞
⇒地方選挙のニュース
地方選挙-朝日新聞
⇒地方選挙のニュース
地方選挙-政治山
⇒地方選挙の日程と速報
地方選挙-選挙ドットコム
⇒地方選挙の日程と速報
全国の地方新聞サイト(電子版)
⇒全国の地方紙で細かい情報をチェック
(選挙のサイトではありません)
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