私立高校無償化に反対!?問題点は公平性と教育機会の格差

現在維新から事項に高校授業料の無償化が提案されています。私立も含めての提案で所得制限なしでの提案となっています。

この高校授業料の無償化は教育の機会均等を実現するために提案されていますが、同時に多くの懸念も生じています。

特に、公立高校と私立高校での助成金の差異が不公平だと感じる声が多く、教育格差の拡大や公立高校の選択肢の減少が危惧されています。

また、無償化しても入学金やその他の費用が高く結局は中高所得層しか私立高校に進学できないという問題も指摘されています。

この記事では、無償化の問題点を詳しく解説し教育政策の課題を考察します。

この記事を読むと分かること:

  • 私立高校無償化がもたらす公平性の問題
  • 教育格差の拡大とその影響
  • 公立高校の選択肢が減少する可能性
  • 無償化がもたらす経済的負担とその対策 福祉の精神に反する政策の問題点

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私立高校無償化の背景と問題点

私立高校の無償化は、教育機会の均等を実現するために考え出された政策ですが、実際には多くの問題を引き起こすことが予想されます。

特に、公立高校と私立高校での助成金の差異が不公平だと感じる声が多く教育格差の拡大や公立高校の選択肢の減少が懸念されています。

公立なら12万円程度の授業料の無償化、私立なら最大50万円程度の授業料の無償化。その差があるだけで不平等と感じる人も多いことでしょう。

また地域によっては私立高校が少ないところも多い。全国的に導入する意味があるのか?地域格差も意識されるところです。

  • 進学先で子供を支援する金額に差が出るのは不公平
  • 私立が少ない地域も。地域格差がある

財源の確保と負担

無償化の費用は少なくとも約6千億円とされており財源の確保が大きな課題となります。

自由民主党や公明党は、所得制限を撤廃し全世帯に支給する案を提示していますが、維新はさらに支援金の上限を引き上げることを求めています。

当然のことながら対象となる世帯は嬉しいですが更に財源が必要となっていきます。他にも給食費無償化なども要求しており1兆円を超す財源が必要になる可能性があります。

  • 1兆円規模の財源を充てるのが本当に正しいのか?
  • 公立無償化で十分と言う声も

1兆円もの財源を確保して本当に高校無償化などをするべきなのか?じっくりと考える必要があるでしょう(例えば5000万人が税負担するとすれば1人あたり毎年2万円を税負担することになります)。

福祉の精神に反する問題点

また私立高校を含む高校無償化の対象は授業料のみです。授業料を無償化しても入学金やその他の費用が高く低所得者はやはり私立高校を選ぶことはできません。結局は中高所得層のみが私立高校に進学できるという問題があります。

実際に中高一貫校に通うわが子の明細を見ると、以下のような項目が並んでいます。このうち無償となるのは授業料の部分だけで、その他の費目で結局年間50万円近く支払うことになります。
参考:「無料」で高校に通えると思ったら大間違い…鵜呑みにするとひどい目に遭う「高校無償化」の落とし穴

「全ての子供が自由に高校を選べるようにする」というお題目は立派なのですが現実にはそうはならないのです。

そしてこれは福祉の精神に反する政策になります(本来は幅広く集めた税金を低所得者を中心に使うのが税金の本来の役割)。

  • 誰もが自由に進学先を選べるというのは嘘
  • 現実的に低所得世帯は公立しか選べない。格差を助長するだけという意見も

後に紹介しますが公立の質の低下の可能性も指摘されています。低所得層の家庭が私立高校に進学する機会が限られていることから教育格差がさらに拡大する可能性があります。

高校無償化による公立高校の衰退

私立高校を無償化すると私立高校に行く子供が増える可能性があります。現在のバランスが大きく崩れる可能性があります。

現実に、すでに高校無償化を進めている大阪では公立高校の倍率が低下し募集を打ち切るところも出ています。同じようなことが全国で起きる可能性があります。それにより公立高校の募集枠が全国的にどんどん減っていく可能性があります。

  • 全国的に公立高校が衰退し募集枠が減る可能性あり
  • 公立高校にこそ助成が必要では?という声も

私立無償化の前に公立高校への助成が必要ではないのか?という声も出ています(それをすると、ますます財政を圧迫することになりますが)。


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競争環境の変化による問題

私立を含む授業料の無償化は一方的な私立支援になり、公立高校との競争は現在よりも私立有利になっていくことでしょう。そうすると先の大阪の例で紹介したように公立高校が淘汰されていくことになります。

その結果、私立高校から見れば競争相手が減ることになります。

そして残った私立高校は授業料などを引き上げやすい環境が整います。それにより無償枠の上限を超えた授業料を設定する学校が増えていくことでしょう。もしくは入学金など無償化と関係ないところの費用負担を増えしていく可能性もあります。

そうなると、更に低所得者は私立を選べないという状況になっていく可能性があります。それどころか中所得者の中でも私立を選べないという人も出てくるかもしれません。

更に悪いことには公立高校が淘汰され選択肢が無くなっていると、公立にも私立にも行けない進学浪人が生じる状況になる可能性もあります。

それを何とかしようと思うと更に私立授業料無償化の金額をアップするしかないでしょう。残念なことに更に税負担が増えることになります。

  • 私立高校の授業料無償化により公立高校が淘汰される
  • その結果ライバルが減った私立は授業料を上乗せし結局は私立に行けない人が続出。公立は淘汰されているので高校進学ができない子供が出てくる可能性があるという最悪な未来予想も

結論と提案

私立高校無償化は教育機会の均等を実現するために考え出された政策ですが、実際には多くの問題を引き起こしています。

特に、公平性の問題や教育格差の拡大、公立高校の選択肢の減少が懸念されています。

したがって、無償化政策を再考し教育の質を向上させるための多様なアプローチが必要です。

例えば私立ではなく公立に資金援助することによって効率の魅力を高めるという案も出ています。公立に魅力が出れば私立ではなく公立を選ぶ人が増えることでしょう。それにより予算が軽減される可能性があります。

また無償化ではなく私立の授業料に当たる年50万円程度を高校生に一律支給にするという案もあります。それで私立に進学したい人は私立に行くという形。公立に進学する人はお金が残るという形になります。

私立無償化でも結局は入学金などの関係で低所得者は私立に進学できない。不公平を生むぐらいならば一律支給の方がいいでしょう。

例えば年50万の支給にするとして公立を選んだ人は約40万円の余裕ができる。そのお金で塾に通う、参考書を買うなどの選択が可能です(年50万が予算の関係で無理なら年30万円とかでもOK)。本来の選択の自由化、平等はこういったものでしょう。今のバランスを保ちながら私立に行く人が徐々に増えるという環境ができます。

  • 公立への資金援助、施設や教育の充実化
  • 私立へ進学する人だけでない平等な支援

もちろん、これらの案にもメリットデメリットがあります。

それにしても私立高校授業料無償化がオープンな議論もなく短期間で自公維新が密室で数週間で決めてしまうのは問題があると言えるでしょう。多くの問題をはらんでおり密室で勝手に決めて良い話ではありません。

この記事のまとめ:

  • 私立高校無償化は公平性の問題あり
  • 私立重視になり教育格差の拡大を引き起こす可能性あり
  • 公立高校が淘汰され選択肢が減少する可能性あり
  • 公立高校のライバルが減ることで競争原理が働かなくなり私立が授業料をアップさせる可能性も。その時点で受け皿となる公立高校が淘汰されていると教育難民が出る可能性も
  • 公立が淘汰され教育の多様性が失われる危険も(工業高校などが淘汰?)
  • 無償化政策を再考し教育の質を向上させるための多様なアプローチが必要

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