日本維新の会が、次期衆院選に向けて社会保障改革を重要政策の柱に据えると発表しました。
少子高齢化が進む中、現役世代の負担増加が問題視される社会保障制度。維新の会は、どのような改革案を提示し、実現を目指すのでしょうか?
その概要を説明します。少しずつ下がって確認ください。
- 日本の社会保障制度が抱える具体的な問題点
- 社会保障改革の必要性と緊急性
- 日本維新の会が提案する社会保障改革の具体的内容
- 改革案が目指す効果と課題
- 改革案の実現に向けたスケジュール
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現状の社会保障制度が抱える問題点
日本の社会保障制度は、以下のような深刻な問題に直面しています。
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急増する医療費
医療費は右肩上がりで増加しており、2020年に約47兆円だった医療費は、2040年には約80兆円に達すると予測されています。
特に75歳以上の後期高齢者医療費が全体の約40%を占めており、現役世代の負担が大きくなっています 。
社会保険料負担の増大
給与明細を見ると、社会保険料が最も大きな控除項目となっています。
さらに、雇用主も同額の社会保険料を負担しているため実質的に労働者の負担は倍額になります。
社会保険料率は年々増加し現在約30%に達しています 。
(参考:社会保険料率は何%まで上昇するのか:政府は2040年度・50年度の試算を示せ)
世代間格差の拡大
現行の制度では、高齢者への給付が手厚い一方で、現役世代の負担が増大しています。
例えば、1940年生まれと2015年生まれの間で6,300万円以上の世代間損得の差が生じているとされています。
問題の放置
これまでの政治家はこの問題を見て見ぬふりしてきました。改革するとなると高齢者福祉の問題に向き合わねばならず高齢者の票を失う可能性が高いから。また日本には平等主義の人が多くそれらの人から批判されることをおそれていました。
その一方で政府は実質的に社会保障費を上げて実質的な増税を繰り返してきました。
放置していたら、今後、更に実質的な増税をすることになるでしょう。働く世代の負担は急速に増え少子化が加速する状況になっています。問題を放置せず早急に抜本的な改革が必要と言えます。
社会保障改革の必要性
これらの問題点を踏まえ、以下の理由から社会保障改革が急務となっています。
- 現状のまま放置すれば、若い世代や将来世代の負担がさらに増大する
- 社会保障制度の持続可能性を確保するため、改革が不可欠
- 世代間の不公平を是正し、全ての世代が安心できる制度の構築が必要
- 現役世代の負担軽減が、経済活性化や少子化対策にもつながる
日本維新の会が提案する社会保障改革の具体的内容
維新の会は、以下のような改革案を提示しています。
高齢者医療費の窓口負担見直し
現在、75歳以上の後期高齢者の医療費窓口負担は原則1割となっていますが維新の会はこの制度に問題があると指摘しています。
具体的には以下の問題点が:
- 資産の有無に関わらず一律1割負担となっている
- 現役世代(原則3割負担)との負担の差が大きい
- 金融資産や不動産などの資産を多く持つ高齢者も1割負担のままである
維新の会は日本には約2000兆円の金融資産がありその多くを高齢者が保有していると指摘しています。
その資産状況を考慮せずに一律1割負担とするのは公平性に欠けるとし現役世代との負担の差を縮小し世代間格差を是正する必要があると主張しているわけです。
この問題に対応するため、維新の会は高齢者の医療費窓口負担の見直しを提案しています。具体的には、資産状況を考慮した負担率の設定や現役世代との負担の差を縮小する方策などが検討されています。
ただし、低所得の高齢者への配慮も必要であり「低所得者等医療費還付制度」の創設なども併せて検討されています。
後期高齢者医療制度の財源構造改革
現役世代からの支援金を廃止し後期高齢者医療制度を完全に税財源化します。
給付の適正化
医療サービスの適正利用を促進し不要な医療費の抑制を図ります 。
健康増進へのインセンティブ付与
個人の健康維持・増進努力に対してインセンティブを設け医療費の抑制と国民の健康寿命延伸を図ります 。
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こども医療費の無償化
18歳以下の医療費を無償化し子育て世代の負担軽減を図ります。
この辺り、維新の会代表の吉村氏が問題点と対策をYouTubeで簡単にまとめているので参考にしてください。
改革案の目指す効果と課題
改革案の目指す効果と課題を列挙します。
期待される効果
- 現役世代の社会保険料負担の軽減
- 世代間格差の是正
- 医療サービスの効率化と質の向上
- 持続可能な社会保障制度の構築
想定される課題
- 高齢者の医療アクセスが制限される恐れ
- 低所得高齢者への影響
- 急激な制度変更による混乱
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改革案実現へのスケジュール
維新の会は、以下のようなスケジュールで改革案の実現を目指しています。
時期 | 予定 |
2025年1月中 | 通常国会開会までに素案作成 |
2025年通常国会 | 素案をもとに国会で議論展開 |
2025年中 | 制度設計案のとりまとめ |
今後の展望
維新の会の改革案が実現するかどうかは、他党との協議や国民の理解が鍵となります。社会保障制度は国民生活に直結する重要なテーマであり、今後の議論の行方に注目が集まりそうです。
- 日本の社会保障制度は、医療費の急増、社会保険料負担の増大、世代間格差の拡大などの問題に直面している
- 日本維新の会は、高齢者医療費の窓口負担見直しや後期高齢者医療制度の財源改革などを柱とする社会保障改革案を提示
- 改革の主な目的は現役世代の負担軽減と持続可能な制度設計
- 2025年通常国会での議論を目指し、1月中に素案を作成予定
- 改革案には賛否両論があり、今後の議論の行方に注目が集まる
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