新潟県泉田裕彦知事の立候補撤回の理由は日本海横断航路の船舶問題?

<新潟県泉田裕彦知事の立候補断念理由について>

新潟県泉田裕彦知事が2016年10月16日に行われる新潟県知事選への立候補を表明していましたが撤回し県知事への立候補を取りやめました。

もともとは立候補する予定だったはずが立候補しないということでその理由を確認したところ、報道のあり方に問題を感じたとのこと。これは定例会議で明らかにしたものです。

平成28年8月31日 泉田知事定例記者会見要旨(新潟県公式サイト内)

 

しかしながら、報道のあり方に疑問を呈して立候補を取りやめるというのは理由として適切かどうか?ということで疑問があります。定例会議に出席していた記者もその点についていろいろと質問されていますが(何らかの脅迫などがあったのでは?など)、その回答も歯切れが悪くどうにも納得しがたい感じがします。

その中で「日本海横断航路の船舶問題」という話が出てきたので調べてみました。

 


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日本海横断航路の船舶問題

この問題についてざっくり言うと新潟県が民間会社などに出資して船舶を購入しようとしたところ(新潟経済の発展に寄与するために船を購入することを検討)、その船が使い物にならないことが判明したという問題のようです。

新潟県やその他の民間会社などから多額のお金が代理店(パナマ社)に流れており、そのお金でパナマ社は韓国の会社との売買契約を進めていました。

それがよりによってあの韓国で2014年に沈没事故を起こした旅客船「セウォル号」を運航していた海運会社でした。

様々な問題があって使えない船だったことが判明。パナマ社が契約や試験航行内容に入れるべく条項を入れずに契約を進めてしまったことが問題だったようです(県側の主張)。

県側としては県はこの問題に関与しておらず「パナマ社と韓国船舶会社の契約に問題があった」としてパナマ社の責任を追及しています。

一方で新潟日報はその契約に県側が深く関わっていたという見方をしており県側にも大きな問題があるとして責任を追及しています。

どちらにしろ出資を決めた県の監督責任はあるわけで、それに多額の公的資金が必要となれば知事や県の責任は追及されるべく大きな問題と言えます。

県側の主張→日本海横断航路の船舶購入のトラブルの現状について、県民の皆様にご説明します(新潟県公式サイト内)

新潟日報の報道、主張など→検証・日本海横断航路問題

 

新潟日報が正しい情報公開をしないことで立候補を取りやめ?

泉田裕彦知事が県知事の立候補を取りやめた背景には新潟日報の報道に疑問を持ったからとしています。県側(知事)には問題がないのに県にも問題があるといった報道をされていることが許せないというわけです。

このような状況で知事に立候補したら原発問題など肝心な部分の議論がなされないままに次の知事が誕生してしまう。それに問題を感じての立候補取り止めたとの説明です(詳細は以下の週刊朝日の記事を確認ください)。

ただ、第三者から見れば日本海横断航路の船舶問題から逃げ出したように見えます。少なくとも現時点でこの問題についての県側、そして知事の責任が明確になっていませんし、説明もしっかりとされているとは言えないものです。

その状況で自ら立候補辞退を決めたというのはこの問題の追及を避けるために逃げたと見るのが自然でしょう。週刊朝日の記事ではいろいろと説明されていますが後から取って付けた言い訳のように聞こえてしまいます。

そして、どこに問題があるにしろ、この問題で2億円を越す公的負担が生じる可能性があるとも言われています。その点についてどのように県や知事が責任を取るのか、早いうちに明確にする必要があるでしょう。

参考→【独白】泉田裕彦新潟県知事「立候補撤回の真相」(週刊朝日)

参考→泉田裕彦知事「不出馬」 この撤退理由は通らない(産経新聞)

 

週刊朝日の記事も無責任では?

上記の週刊朝日の記事をしっかりと全文を読んでいただきたいのですが、その中には以下のような文章があります。

『小説『原発ホワイトアウト』(講談社・若杉冽著)にあった「電力のモンスターシステム」、そして泉田知事をモデルにしたとみられる登場人物の「新崎県の伊豆田清彦知事」を連想させるような展開にも思えてきます』

この辺りはあまりにも強引な結びつけと言わざる得ないでしょう。

もちろん、電力会社関連の力は大きい。そしてその関係議員らが、今回の船舶問題を「渡りに船」ということで追求する材料にした可能性は大いにあるでしょう(というか現実にあったことでしょう)。

ただし、泉田裕彦知事本人も言っている通り、それとこれとは話が別。

原発問題についてはしっかりと議論しようとする姿勢を見せているにも関わらず自らへの問題追求は逃げているようであまりにも残念です。

そして今回の立候補撤回が県民から原発問題を遠ざけてしまう結果になってしまうのでは?あまりにも無責任な状況だと感じます。

そのような知事の無責任さを肯定し後押しするような週刊朝日の記事も残念に感じます。

 

(合わせてお読みください)
新潟県知事選挙の立候補者と選挙結果速報(2016年10月16日)

 

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